nakokunの日記

Ⅰ型糖尿病の奥さん(妊娠中)の夫の日記です。参考までにぜひ。

「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗Ⅰ型糖尿病とは⑥‗インスリン注射

インスリン注射についてお話していきます。

インスリン注射には様々な種類があるらしいのですが、

私の妻は現在、2種類のインスリン注射を使っています。

 

1つは「レベミル」という注射で、

持効型と呼ばれるものです。

 

もう1つは「ラピッド」という注射で、

超速効型と呼ばれるものです。

 

レベミルを打つタイミングは

「朝」「夜」の2回です。

 

このレベミルはざっくりいうと、

長い時間をかけて徐々に効果を発揮するタイプの注射とのこと。

約24時間くらいかけて、少しずつ血糖値を下げてくれる効果を発揮します。

 

日中の血糖値を抑えるため、

夜間の血糖値の上昇を抑えるために2回注射しています。

 

もうひとつのラピッドを打つタイミングは毎食前(または後)です。

このラピッドは短時間で効果を発揮します。

10-20分で効きはじめ、3-5時間で効果は終わります。

 

食事をすると、炭水化物が体内に入りますので、

血糖値は急激に上がります。

この急激な血糖値上昇を抑えるのがラピッドです。

 

妻は妊娠が分かったときに、それまでのインスリン注射から

レベミルとラピッドの2つに変えました。

 

インスリン注射を変える際には2週間ほど入院し

インスリン注射の効き具合を慎重にモニタリングしてもらいました。

人によって、同じインスリン注射でも効き方は異なる、と先生はおっしゃっていました。

 

レベミルは朝、夜の2回ですので、忘れずに打つことが大事です。

一方、ラピッドは食事ごとに炭水化物量を計算し、インスリン量を調整して打たなければいけません。

 

この炭水化物量の計算方法を入院中に徹底して私と妻は習いました。

カーボカウントというらしいのですが、これが結構難しく、奥が深いのです。

 

次はカーボカウントの話ですね。

 

「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗Ⅰ型糖尿病とは⑤‗カッチン

インスリンとは、

血糖値を下げる作用をするホルモンです。

 

Ⅰ型糖尿病の人の場合、

インスリンが体内から分泌されないので

外部からインスリンを注入しなければなりません。

それがインスリン注射でした。

 

では、具体的にどのようにインスリン注射を打っているのか、

私の奥さんの事例を紹介します。

 

私の奥さんは現在、妊娠3か月で、

妊娠が発覚した後にインスリン注射の種類を変えました。

(それまで使用していたインスリン注射は妊婦に使用しても

問題ないという保証がないため、妊婦でも問題ないインスリン

注射に変えました。

本来であれば、妊娠する前、子づくりを始めた段階で

インスリンを変えるのが望ましかったらしいのですが、

そのあたりはうまくいきませんね、、なんとかなりましたが)

 

奥さんが現在使用しているインスリン注射は

2種類あります。

「レベミル」という注射と「ラピッド」という注射です。

この2種類の注射を使い分けています。

※このあたりは次回お話します

 

さて、血糖値をコントールするためにインスリン注射をうつわけ

ですが、その前提として、

 

現在の自分の血糖値がどれくらいなのか、

 

というのも頻繁にモニタリングしなければいけません。

 

私も含め、健常な人は自分の血糖値など気にしたことはありません。

私も奥さんと出会うまでは自分の血糖値のことなど全く気にしたことがありませんでした。

 

そもそも、血糖値ってどうやって計測するの?

そんなに簡単に計れるものなの?

採血をしなければいけなんじゃないの?

 

と思うかもしれません。

 

しかしどっこい、現在の医療機器の進歩は素晴らしく、

10秒程度でほとんど痛みなく血糖値を計測することができるのです。

 

その魔法の機械が「カッチン」です。

カッチンといっても正式な名称ではありません。

我が家ではそう呼んでいるだけです。

(正式にはもっとかたい名前があるそうです)

 

カッチンの機能は要するに、

血糖値を測定する機械です。

 

万歩計くらいの大きさで、小さな画面がついています。

先端部分に血液をつけたフィルターを装着する部分があり、

ここに血液フィルターを装着すると5秒ほどで血糖値が表示されます。

 

フィルターに血液をつけなければいけないわけですが、

これはペンシルのような張り付きの機械があり、これを指先などにつけ

「かっちん」とすると、指先から血液が少しだけ採取できます。

(私もたまにやっていますがほとんど痛みはありません)

 

このカッチンを使って、我が家では血糖値の測定をしています。

血糖値の値によって注入するインスリンの量もやや変わってきます。

 

次にインスリン注射についてお話していきます。

 

 

「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗Ⅰ型糖尿病とは④‗血糖値

インスリン注射について理解するためには、

まず「血糖値」を知る必要があります。

 

なぜならインスリンは血糖値を下げる作用をするホルモンだからです。

そもそも血糖値とは何なのかを知らなければなりません。

 

血糖値とは、以下のようなものです。(Wikipedia

 

血糖値(けっとうち、blood sugar concentration / blood glucose level)とは、血液内のグルコースブドウ糖)の濃度である。健常なヒトの場合、空腹時血糖値はおおよそ80-100mg/dL程度であり、食後は若干高い値を示す。

 

血糖値を理解するためのポイントは3つです。

 

①血液内でのグルコースブドウ糖)の濃度

②健常な人の場合80‐90程度

③食後は高くなる

 

まず1つ目ですが、

血糖値は血液内におけるブドウ糖の濃度です。

 

ブドウ糖とは、糖質と呼ばれるもので、

炭水化物に多く含まれています。

 

コンビニなどで食べ物を買うと、裏面に栄養成分表が書いてあります。

あまり見たことがない人もいるかもしれませんが、

そこにその食品に含まれてる炭水化物量も書いてあります

 

例えば、バナナの栄養成分はこんな感じです。

 

栄養成分表
バナナ
分量100 g あたり
カロリー (kcal) 86
脂質 0.2 g  
コレステロール 0 mg  
ナトリウム 0 mg  
カリウム 360 mg  
炭水化物 23 g  
水溶性食物繊維 0.1 g  
不溶性食物繊維 1 g  
タンパク質 1.1 g

 

これを見ると、バナナの炭水化物量は23グラムだとわかります。

 

この炭水化物をどれだけ摂取するかで、

血液の中のブドウ糖濃度(=血糖値)は変化します。

炭水化物を多く摂取すればするほど、

血糖値は上がっていきます。

 

2つめですが、

健常な人の場合この血糖値は80‐90程度に保たれています。

 

なぜ80‐90で安定しているかというと、

体内で自動的にインスリンが分泌され、血糖値をコントロールしてくれているからです。

しかし、Ⅰ型糖尿病の人の場合、これができません。

炭水化物をどれだけ食べたかによって、必要なインスリンを

自分で考えて注入しなければなりません。

(これがインスリン注射です)

 

3つめですが、

当たり前ですが、食後は血糖値が上がります。

炭水化物を多く摂取すればするほど、血糖値は上がるからです。

 

なので、Ⅰ型糖尿病の場合、

食事のたびにインスリン注射を打つ必要があります。

 

このような背景があり、

Ⅰ型糖尿病の人はインスリン注射を打たなければなりません。

 

簡単にいえば、

血糖値をコントロールするために自分で考えてインスリンを打たなければならないのです。

 

摂取した炭水化物量に応じて適切なインスリンを分泌する、

健常な人の身体は自動的にそれを行っているのです。

これを知ると、人間の身体ってすごいなーとシンプルに思います。

 

さて、食事の際にはインスリン注射を打たなければいけないわけですが、

うちの奥さんがどんな感じで注射を打っているか、

お話していきましょう。

 

 

「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗Ⅰ型糖尿病とは③‗膵臓(すいぞう)のβ細胞の欠如

「Ⅰ型糖尿病」とは、

 

ざっくり言ってしまえば、

『自分自身で血糖値をコントロールすることができない』病気です。

 

通常であれば、膵臓(すいぞう)のβ細胞(ベータさいぼう)というものが

体内の血糖値をコントロールしています。

血糖値を下げるホルモンである『インスリン』を分泌し、

血糖値を自動的にコントロールしてくれているのです。

 

しかし、なんらかの理由(原因は不明なので予防方法などはないらしい)で

膵臓のβ細胞が破壊されてしまう病気があります。

それが「Ⅰ型糖尿病」です。

 

β細胞が破壊されてしまうと、

インスリン分泌ができなくなり、血糖値を下げることができなくなります。

すると、血糖値は上がり続け、人間はすぐに死んでしまいます。

 

なので、Ⅰ型糖尿病の人はインスリンを外部から注入し、

血糖値を下げなければなりません。

 

インスリンを注入するときには「インスリン注射」を使います。

注射というと、かなり痛いイメージもあるかもしれませんが、

インスリン注射はほとんど痛みは感じない注射です。

 

私の妻もインスリン注射を毎日打っています。

Ⅰ型糖尿病が唯一、健康体の人とちがうところは

毎日インスリンの注射を打たなければいけないところです。

 

インスリン注射というものを理解するのに

私もかなり時間がかかりましたが、最近ようやくわかってきました。

知れば知るほど、人間の身体は不思議なものだなーと感じています。

 

次にインスリン注射についてお話していきましょう。

 

「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗Ⅰ型糖尿病とは②

私の妻は「Ⅰ型糖尿病」です。

妻は現在29歳で、3歳のころにⅠ型糖尿病を発症しました。

以来、約25年ほど、妻はこの病気と一緒に生きてきました。

 

糖尿病、といっても私の妻は、

いわゆる「おでぶさん」ではありません。

 

糖尿病=肥満、と思っている人には、

これは驚きかもしれません。

 

私の妻は生活習慣の乱れ(特に食習慣の偏り)が原因で発症する

「糖尿病(Ⅰ型)」ではなく、

原因はわからないが突然に発症する

「糖尿病(Ⅱ型)」なのです。

 

Wilipediaでは「Ⅰ型糖尿病」についてこのように説明しています。

 

1型糖尿病(いちがたとうにょうびょう、ICD-10:E10)は、膵臓ランゲルハンス島インスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気である。その原因は主に自分の免疫細胞が自らの膵臓を攻撃するためと考えられているが(自己免疫性)、まれに自己免疫反応の証拠のない1型糖尿病もみられる(特発性)。

一般的に「生活習慣が悪かったので糖尿病になりました」と言う場合、1型糖尿病を指すことはほとんどない。患者の多くは10代でこれを発症する。血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極度に低下するかほとんど分泌されなくなるため、血中の糖が異常に増加し糖尿病性ケトアシドーシスを起こす危険性が高い。そのためインスリン注射などの強力な治療を常に必要とすることがほとんどである。

 

少し難しい言葉も含まれています。

 

この病気を傍で見ている実感も含めて、

どんな病気かをお話していきます。

 

 

 

 

「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗Ⅰ型糖尿病とは①

みなさま、こんにちは。

 

突然ですが、みなさんは「Ⅰ型糖尿病」とご存じでしょうか。

 

「糖尿病」と聞くと、

「ああ、甘いものばかり食べているとなるやつだ・・」

生活習慣病だな・・」

「食事管理、健康管理がなっていない・・」

 

と思う人もいるかもしれません。

 

しかし、

世の中で一般的にいわれる「糖尿病」は「Ⅱ型糖尿病」と言われ、

「Ⅰ型糖尿病」は、それとはまた異なる種類の病気なのです。

 

まずはこの「Ⅰ型糖尿病」について、

説明していきたいと思います。