「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗入院⑤‗血糖値管理
生活リズムが安定し
「食事」「排泄」「睡眠」のリズムが整ってくると、
それに従い、血糖値のコントロールも容易になります。
もともと、
入院の目的は新しいインスリン注射を導入すること
だったので、
血糖値の管理も厳密に行っていきました。
妻は「自己管理ノート」というものを渡され、
それに毎回の血糖値を書き込んでいくのです。
これが妻が現在も使用している自己管理ノートです。
ネットで調べてみると、
糖尿病患者の血糖値管理のために作成したものの様です。
このノートに毎回(毎食前・後)の血糖値
を書き込んでいきます。
食前、食後で望ましい血糖値の値(80-120)
がありますので、それに収まっているかどうか
チェックしていきます。
入院中も現在も
妻はこのノートを使って血糖値を記入しています。
(続く)
「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗入院④‗生活リズムを安定させることの大事さ
入院生活の中でよかったことは
「生活リズム」が安定したことです。
妻はもともと、看護師として大学病院で働いていました。
常勤の看護師なので、夜勤も当然ありました。
1週間に2回程度は夜勤、
3回は日勤、くらいのペースで働いていました。
看護師なので仕方ない部分もありますが、
やはりこの働き方は相当しんどそうに思っていました。
なにがしんどいかというと、
「生活リズムがばらばら」という点です。
日勤のときは昼間中心の生活をしますが、
夜勤のときは夜中心の生活をします。
当然、食事のリズムも変わりますので
いつごはんをたべるのか、という点も、日勤か夜勤で変わってきます。
日勤と夜勤がかわるがわるやってくる生活をしていたのですが
看護師をやめ、入院をすることになった妻は徹底的に生活リズムを改善
することができました。
(もともと、性格的に少しルーズなので
その点を強制的に叩き直してもらうよい機会でした)
病院では「病院の時間」で徹底的に生活リズムを
改善してくれます。
具体的には、
①起床・就寝の時間(睡眠の管理)
②食事の時間(食事の管理)
③排泄の時間(排泄の管理)
の3点でした。
この3つのリズムが整ってくることで
生活のリズムが整ってきました。
血糖値の変化を考える上では
やはり生活リズムは大事なんだなとつくづく思いました。
この生活リズムが整うことによって
血糖値をコントロールすることができるように
なってきました。
(続く)
「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗入院③‗暁(あかつき)現象
入院して初めて知ったことに
「暁現象(あかつきげんしょう)」というものがあります。
妻は入院し、
血糖値を見るモニターをつけて生活していたわけですが
すると、1日の血糖値の変化がわかるのです。
毎日グラフでみていくと、
明け方の血糖値が高くなっていることがわかりました。
夜寝る前は血糖値「100」程度なのですが、
明け方に「140-160」くらいまで跳ね上がるのです。
このように明け方の前に生じる血糖値の急上昇を
「暁現象」というと先生は教えてくれました。
(以下、抜粋)
早朝の睡眠中(あるいは起床時間前)・空腹時の時間帯に生じる特異的な血糖値の上昇のこと。名称は、この症状の発現する時間帯が「夜明け(Dawn)」頃であることに由来する。
この暁現象は、ヒト成長ホルモンなど、体内時計に基いて早朝時に活発に分泌される各種ホルモンの影響によるもので、健常者の場合でも同様の現象は起きているが、これに応じたインスリンが分泌されるので血糖値は通常範囲内に抑制され、問題となることは無い。これに対し、1型DMではその傾向が増幅して現れるケースが多く、就寝前に投与した速効型あるいは中間型インスリンの作用が切れてくる時間帯と重なったり、特に膵臓のβ細胞(→)が廃絶しインスリンの自己分泌が全く0になっている場合には、血糖値の上昇は顕著である。
このように、
入院生活では血糖値をモニターすることで
いろんなことがわかってきました。
(続く)
「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗入院②‗血糖値モニター
さて、入院をすることになりました。
当初、主治医の先生から「早ければ1週間ぐらいで退院できますよ」
と言われていましたが、結局2週間入院することになりました。
入院後、まず小型のモニターのようなものをお腹につけました。
これは「血糖値を常時計測できるモニター」とのこと。
(正式な名称はわかりません、、)
これを装着して妻は入院生活を過ごすことになりました。
通常、血糖値をはかるときには「カッチン」をしなければいけません。
(過去ブログ参照)
→これがカッチン ※現在も妻使用中
血糖値を計測したければ、
いちいち指から血を取り、計測しなければいけません。
しかし、病院でつけたモニターは
常時、お腹に刺した針が血糖値をモニタリングしていますので
1日に2-3回、モニターのデータを計測すれば
血糖値の変化がわかります。
しかも、カッチンではその時(一時点)
の血糖値しか分かりませんが、
このモニターは血糖値の変化が常にわかります。
翌日になると、1日の血糖値の変化
がグラフになってわかるのです。
これは今振り返ってみても
とてもよかったです。
妻は3歳からⅠ型なので、
昔っから入院するたびに同じような機械で測定していたらしいですが
私にとっては初でした。
人の血糖値はこのように変化するのか・・
と興味深々でした。
(続く)
「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗入院①‗2週間の入院
なんとなく想定はしていたのですが
糖尿内科に行くと、妻は即入院になりました。
入院といっても、
どこかが特に悪かったわけではありません。
入院の目的は、
①インスリン注射を変えること
②血糖のコントロールを厳密にすること
の2つでした。
現在、妻は「ラピッド」「レベミル」の2種類のインスリン注射を使っています。
ラピッドは速効型、レベミルは持続型の注射です。
(初回ブログ参照)
しかし、妊娠がわかるまでは、
「レベミル」ではなく「トレシーバ―」という注射を使っていました。
先生いわく、トレシーバ―は妊婦に使用してもよいという確証
(臨床実験による確証)がないため、注射を変える必要があるそう。
ただ、注射を変えると、
一度にどれくらいの量を打って、どれくらいインスリンがきくのか、
もう一度、確認しなければいけません。
インスリン注射の変更に伴う、インスリン注射の調整入院。
それが目的の1つです。
あとひとつの目的は、
血糖値のコントロールを厳密に行うことです。
妊婦は血糖値に特に慎重にならなければなりません。
血糖コントロールが悪化すると、胎児に影響を与えかねないからです。
(以下、抜粋)
妊娠中の血糖値が高いと、赤ちゃん(胎児)が大きくなりすぎたり、新生児期にいろいろな合併症(低血糖、高ビリルビン血症、多血症、低カルシウム血症、呼吸障害)が起きやすくなります。また、お母さん自身にもいろいろな産科的合併症(早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症)が起きやすくなります。
なので、特にⅠ型の妊婦は血糖コントロールが必要なのです。
ではどのくらいにコントロールするのか。
(以下、再抜粋)
現在、世界的に推奨されている血糖コントロール許容値は食前血糖値100mg/dL未満、食後1時間血糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖値120mg/dL未満です。
この範囲内に血糖値をコントロールします。
ほかのⅠ型の型はわかりませんが、
妻はそれまでかなり奔放な血糖コントロールを行っていました。
元々看護師だったので仕方ない部分もあるのですが
生活リズムや食事のリズムが不安定でした。
それをしっかりとコントロールするために、
もっといえば生活改善のための入院がもうひとつの目的でした。
(続く)
「Ⅰ型糖尿病」の「妊婦」の「夫」の日記‗妊娠⑤‗糖尿内科へ
妊娠検査薬で妊娠がわかると、
産婦人科に行き、胎嚢を確認しました。
その足で、今度は糖尿内科に行きました。
なぜ糖尿内科というと、
妻はもともとⅠ型糖尿病なので、かかりつけ医を見つけなければ
ならなかったからです。
以前は神奈川の大学病院(妻は看護師として働いていたので
勤務先の大学病院でした)がかかりつけの病院でした。
しかし福岡に引っ越してくることになり、
新しいかかりつけ医を探していたのです。
さがす、といっても、前の病院からもちろん紹介状
を書いてもらっていました。
実は紹介状で紹介してもらう予定だったのは
九州医療センターではなく、別の病院でした。
福岡市にⅠ型糖尿病専門のクリニックがあり
そこを紹介してもらう予定でした。
(先生自身もⅠ型糖尿病で、全国から来院するほど
有名なクリニックらしいです)
なので、そのクリニックに行く予定だったのですが、
いったんは同じ九州医療センターの内科に行ってみることにしました。
(続く)